葉月君の走るスピードが上がる。


そして―――――。






パアンッ、と号砲が鳴り響く。それと同時に盛り上がる応援席。



「くっそ・・っ、はあ・・・っ」

「どうだっ、だい、ち・・・っ」



一歩葉月君の足が前に出て、ゴールテープを先に切ったのだ。日向君は、2位だった。


息を切らしながらも、ゆっくりと地面に私を降ろしてくれた日向君。降ろしたと同時に、地面に座り込んだ。