いつもより少し低くて小さな声に「え」と振り返る。不安な気持ちが、心の中を埋め尽くす。
「辛かったら、言って・・・!」
「え、ちょ、え!?」
ふわっ、と持ち上げられたかと思うと、またも視界が空で埋め尽くされる。足の痛みなんて一瞬で消えた。
『おーっと、ここで赤組日向大地、大胆な行動に出ましたー!!!』
キャーッという声やヒューッという声が飛び交う。そんな声にさらに羞恥が襲ってくる。
『お相手を、お姫様抱っこで走り出す赤組、同じく赤組の葉月ペアに追いつくことができるか!?』
「しっかり捕まっててよ!」
「え、ひ、日向君・・・!?」