わあああっ!と盛り上がる会場。

ドクンッ、と心臓が大きくなったのが分かる。こんなの、今出てる人だけじゃなくて、今出ている人のことを好きな人の心臓にも悪い。



「あはは!めっちゃウケる!司会者それ言っちゃ駄目じゃんね~!」



隣の莉奈は楽しそうに声を上げて笑っている。そうだね、と表面で笑顔を繕うが、内心は不安でしかなかった。


野次を飛ばす声と声援が入り混じる。


ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ。


歓声にかき消される心臓の音は、自分の耳には確かに届いてくる。


「・・・」


日向君は・・・誰を、選ぶのだろう。