「美空お帰り!次日向大地と健人だよ!」




興奮気味の莉奈に手を引っ張られて、応援席の一番前に顔をだす。



それと同時に号砲が鳴り響き、広いグラウンド一杯に声援が飛び交う。太陽が選手達を照らすスポットライトだ。



そんな光に照らされて、走る日向君を瞳に焼き付ける。心のシャッターを何枚も切る。


ハードルを飛び越える姿。ネットをくぐる姿。一枚一枚、心に納めるの。


そうしてる間に、日向君と葉月君はほぼ同時にある場所に到着した。それは先ほどと同じように“借り物”がかかれた紙がある場所。


男子の場合、障害物競走の中の最後に、借り物競争が含まれているのだ。


二人が少し疲れた様子で紙を広げる。それに負けじと次々と選手全員が紙を広げていき、全員が広げた時。





『さあさあ今回の借り物は、全員“好きな人”となっておりまーす!!』