葉月君の言葉に、火照ってた頬が更に暑くなる。 「じゃ、次は障害物競走だから行くわ!応援頼んだぜ」 「あ、うん」 太陽に照らされる彼の大きな背中が、生徒の中に消えていった。太陽はまだ私達の真上にある。 左手に握り締めたくしゃくしゃの紙を見つめた。 “好きな人(恋愛として)” 10月にしては暑い風が、私の背中を押した。顔に当たる髪の毛がくすぐったい。 「戻ろう」 小さくつぶやいた声は、遠くから聞こえる生徒たちの応援にかき消された。