……だと思ってたのに彼と廊下ですれ違うたびに、必ずと言っていいほど瞳が合う事に最近は疑問を覚える。
もしかしたら、私が彼のことを変に意識しすぎて、見ているせいなのかもしれないけど。
「日向大地ってね、女の子からの告白ぜーんぶ断ってるんだって」
「そうなんだ。どうして?」
「翔也から聞いたんだけどさ、一度も彼女いなかったらしいよ」
驚きのあまり目を見開きながら、もう一度オレンジジュースを口にした。口の中で果肉がプチプチとはじける。
あれだけの人気者なのに、彼女いないんだ……。
それに彼女がいなかった、というのも意外だ。