それからの毎日はいたって普通だった。

教室には莉奈がいて、葉月君がいて。たまに5人で昼休みや休み時間にはしゃぐ。

そんな日々の繰り返しで、いつのまにか体育祭を迎えた。



「美空頑張れぇぇい!」


は、恥ずかしい・・・。


莉奈の声援が響く中、私が出場する種目、借り物競走のスタートを知らせる号砲がなった。


50メートル先にある紙を真っ先に目指す。が、走るのが苦手な私にとってここは苦難。


「誰かー数Ⅲの教科書持ってないですかー!!!」

「0点のテスト持ってる人いない!!?」


!?!?!?

なんだ、それ。

教室に取りに戻らなければいけないものや、入手困難なものがあるの!?


なんとかたどり着いた先で残り物の紙を広げる。


どうか、この場ですぐ手に入るものでありますように・・・!