「忘れ物、とってきたんじゃないの?」

「・・・」

先ほどまでの違和感が、私の中を埋め尽くしていく。

だって上から降りてきたってことは、教室にいって忘れ物をとって、帰ってきたことだよね。

なのに・・・。


「今の、莉奈には内緒な」


人差し指を立てて、少し困ったように彼は笑うと、そのまま下へ降りていった。


もしかして・・・。

もしかすると・・・?


「・・・・・・まさか、ね」