いつも聞いている声に顔を上げると、そこには想像通り莉奈がいた。



「あ」



その隣にいたのは、平松君だ。今日は喧嘩をしている様子だったけれど、無事仲直りできたんだ。

そのことにホッと胸をなでおろす。


「健人部活行ったんじゃないのー?それに美空まで」

「俺も相川も忘れ物しちゃって」

「そうだったんだ」


・・・・・・え。


葉月君の発言に少しだけ目を丸くする。しかし莉奈がばいばい、とそのまま続けたので私も莉奈にまたね、と言う。


莉奈と平松君の足音が聞こえなくなると、私は口を開いた。