――――――――― 「あれ、葉月君」 「え、うわっ、ビビッた~・・・。相川かよ」 階段を上っている途中、一段飛ばしで走り降りてくる葉月君と遭遇した。 少し表情が強張って見えるが、何かあったのだろうか。 「帰ったんじゃねーのかよ」 「忘れ物しちゃって。へへっ。葉月君こそ、そんなに急いでどうしたの?」 「俺も、忘れ物」 ふ~ん、と軽く受け流が、いつもと違う感じに少し違和感を覚える。 なんか、違うよなぁ。 髪の毛切ったわけでもないし、う~ん。 「あ、美空!それに健人も」