今まで無視したくせに。

何でそんな当たり前に話しかけてくるの・・・!?


巡る想いがあたしの目を濡らした。見られたくなくて思わず下を向く。



「部活、は」

「今日は自主練の日。だから莉奈、帰ろ」



部活どころか自主練さえもサボった事ないのに、何で今日だけ。

嬉しいのに、嬉しくない自分がいた。



「一人で帰る」



だから素直になんて、なれない。

こうやって私はいつも、翔也を困らせる。