「あ、相川だ」 健人が送る視線の先にあたしも視線を送る。 すると、ゆっくりと自転車をこぎながら帰る美空に駆け寄る一人の人物が。 「大地か、あれ」 「そうだね。一緒に帰るのかな」 「いや、大地部活の練習着だから違うだろ」 遠くからみてもお似合いの二人。 直接本人が言ったわけではないが、美空は日向大地の事が好きに違いない。 日向大地は―――・・・。 「莉奈」