ばいばい、と言って振った手を力なく下ろす。


「はぁ・・・」

「ひねくれ坊主発見ー」

「・・・坊主じゃないし」


思わず口を尖らせる。

机に腰掛けた健人は無造作にセットされた髪の毛を弄る。

金曜日の放課後はみんなの足取りが早く、気が付けば教室に残るのはあたしと健人だけになった。


「まーだ喧嘩してんの?平松と」

「誤っても返事くれないんだもん」

「お前何したんだよ~」

「こっちが聞きたいわよ!」