タオルを頭に載せ、無造作に髪の毛を拭きながら歩きだした日向君。 「おーじゃあ待ってるわ」 葉月君の声に振り返ったのは日向君ではなく、日向君を呼んだ女の子のほうだった。 「楽しんでる所すみませんでした。では、葉月先輩と平松先輩もお疲れ様でした」 きっと誰でもわかった。彼女が作り笑いを浮かべたことなんて。 軽く会釈をした彼女が振り向きざまに瞳が合った気がしたのは気のせいだろうか。