「無理~。これをあと二十分で覚えるとか。もう毎日文化祭の準備だけしたいよ」
もうすぐやってくる文化祭が楽しみで、余計に嫌な事はやりたくなくなる。
「そんなこと言ってると、あっという間に昼休み終わっちゃうよ」
「う~」
高校の昼休みというのは長いようで短い。
クラスで友達とお喋りをする人。課題の答えを必死に写す人。先生に見つかれないようにスマホをいじる人。睡眠時間を確保するもの。
貴重な時間を皆、多種多様に過ごす。
そんな中、机の片隅に置かれた単語帳を見ないフリをして莉奈が口を開いた。
「そういえばね、また日向大地に告白した子がいるんだって」
「え、また!?」