―――――――・・・ 長い数学の講習を終えれば、やっと私たちの夏休みが幕を開ける。 窓の外で行われていた試合もどうやら終わったようだ。 「美空、行こ!」 「あ、待ってよ莉奈!」 何をそんなに急いでるんだろう。 スクバを背中で背負った莉奈の後ろ姿を私も追いかける。 下駄箱からローファーを取り出して、1年前に比べて薄汚れたスリッパと入れ替える。 莉奈は既に履き替えていた。 「今日何かあるの?」