私は嬉しくて、笑いながら頷くと、日向君も同じように頷いた。

そして。


「来年も、5人で花火が見れますよーにっ!!」


大きく咲いた花火の音に負けないぐらい、力強い声で叫んだ。

急にどうしたのかと、4人の視線が日向君に集中する。


「……何かに願っといたほうが、願いが叶いそうだろ?」

「……なんか、分かる気もする……」

私がゆっくりと頷くと、日向君はまるで絵本に出てくる王子様のように優しく微笑んだ。


「それなら全員で、願い事でも言っとくか?自分の将来とか、部活のこととか」


……もしかして、日向君は私が一瞬進路を考えたことが分かったのだろうか。

その不安を、無くすため……?


「ははっ、それいいな!」


日向君の意見に葉月君が賛同すると、平松君と莉奈もいいね!と声をあげた。