「デザートは、抹茶系とか白玉系を増やして、冬には甘さ控えめ版も作っておしるこ」一拍置いて、薫子は「でしたよね」と苦笑した。僕は同じように頷いた。

「あ、白玉も抹茶にできますね。白玉抹茶ぜんざいなんて美味しそうじゃないですか? 冬には、苺白玉ぜんざいなんかも美味しそうです。食べやすい苺大福みたいな。白玉だけでかなりメニュー作れますね」

楽しそうに語る薫子を見て、義雄は釣られるように笑った。「じゃあ、よかったら思いついたメニュー、メモ帳にでもまとめておいてよ。作り方とか、具体的なことは要らないからさ」

「そこは義雄の仕事だもんね」雅美が言った。「雅美も厨房の人だからな?」と義雄は苦笑する。

「わかりました。思いついたら全部書いておきます。おいしくなさそうでも」

「なるべくおいしそうなの書いて」と苦笑する義雄へ、薫子は「勿論です」と同じように返した。