「あと、もういくつかいいですか」薫子は控えめに手を上げた。

「昨夜と今朝に思いついたのですが、料理、ヘルシーメニューとかコラーゲンたっぷり系メニュー、あと、軽食風におにぎりなんていうのはいかがでしょうか」

「ああ……おにぎりねえ」いいかも、と雅美はぱちんと指を鳴らした。

「具は、思いついているところだと薄焼き玉子ソーセージとか、ししゃもなんかがあります」

「薄焼き玉子?」義雄が言った。

「はい。クレープの生地のように薄く焼いた玉子でソーセージを包んだのが具なんです。ししゃもはそのままししゃもを具にするんですが、わたしの想像では尻尾がおにぎりの上から出てるんです。かわいくていいかなと」

「へええ。色々考えるねえ」尊敬するよと雅美は苦笑した。とんでもないですと薫子も同じように返す。

「あとそうだ、僕も今日個人的に思ったことがあったんだ。ヘルシーに拘らなくても、量を少し減らすだけでも、そのメニュー人気出るかなと。今日、ご飯少なめの注文があったから」

「ほう……」義雄は顎に手を当てた。「時代も変わってるしなあ。こちらも色々動くべきだね」

「今は豊かよねえ」トシさんは穏やかに言った。