血液型も違った。それは二卵性の双子であるためだと思った。ある番組が両親の血液型で子供が何型になるかというのを取り上げたのは、姉との共通点を探して間もない頃だった。

両親は共にA型だった。その番組では、A型同士では、子供はおよそ八割の確率でA型、二割の確率でO型になるとのことだった。姉はO型、おれはAB型だった。

「うちってすごい稀なのかな」と姉は笑った。だとしたらすごくないかと彼女はどこか嬉しそうだった。おれも姉に釣られて笑った。

あんたわたし達の子じゃないから――。母はさらりと言った。

理解に数秒の時間を要した。母は改めて言った。姉は確かに母と父の子だが、おれは父とは血縁関係がないのだと表情のない声で説明した。

母の対応には合点がいった。旦那とのではない子を嫌う母親は小説や映画でよく見た。しかし一つ拭えない疑問が湧いた。

おれと姉は、同じ年の同じ日に生まれた。確かに双子であるはずだった。そんな二人の片親が違うなどということがあり得るのだろうかと思った。