風呂上がり、僕は甚平の上衣の紐を結んで脱衣場を出た。
居間で、義雄の声に薫子の声がなにか言った。僕が風呂に入る前、義雄は薫子へ話があると言っていた。それがまだ続いているのだろう。
僕は自室に入った。今まで僕が布団を敷いていた辺りにベッドが置いてある。組み立てに時間は掛からなかった。それに取り掛かるまでの方が掛かったかもしれない。義雄の工具箱を探し出すのにかなりの時間を要した。
適当な場所に布団を敷き、その上にあぐらをかいた。その頃に戸が開けられた。紫のティーシャツに黒のジャージのハーフパンツという寝間着姿の薫子が入ってくる。
「お疲れ」
「明日からの、休憩とか休む曜日とか決めてました」
「そうか」
「トシおばあちゃま、本当に今日中に、サムエ? 仕上げてしまったそうです」
「あの人、こういう真面目な場面では不可能は絶対口にしないんだ」
「あんなほんわかした感じなのに、すごい方ですね」
「僕も思う。本当に自分のことをわかってないとああはなれないから」
「そうですねえ。わたし、自分のこともよくわかってないので尊敬します」
僕は「僕もそうだよ」と返して脚を抱えた。
居間で、義雄の声に薫子の声がなにか言った。僕が風呂に入る前、義雄は薫子へ話があると言っていた。それがまだ続いているのだろう。
僕は自室に入った。今まで僕が布団を敷いていた辺りにベッドが置いてある。組み立てに時間は掛からなかった。それに取り掛かるまでの方が掛かったかもしれない。義雄の工具箱を探し出すのにかなりの時間を要した。
適当な場所に布団を敷き、その上にあぐらをかいた。その頃に戸が開けられた。紫のティーシャツに黒のジャージのハーフパンツという寝間着姿の薫子が入ってくる。
「お疲れ」
「明日からの、休憩とか休む曜日とか決めてました」
「そうか」
「トシおばあちゃま、本当に今日中に、サムエ? 仕上げてしまったそうです」
「あの人、こういう真面目な場面では不可能は絶対口にしないんだ」
「あんなほんわかした感じなのに、すごい方ですね」
「僕も思う。本当に自分のことをわかってないとああはなれないから」
「そうですねえ。わたし、自分のこともよくわかってないので尊敬します」
僕は「僕もそうだよ」と返して脚を抱えた。