上は濃い紫色のロングティーシャツと黒の七分袖のティーシャツ、カーキ色のシャツワンピース、その他寝間着を含む五着、下はスキニージーンズとデニムのワイドパンツ、黒やカーキのチノパンツ、他、雅美の提案で近くの靴屋にて何足か靴とサンダルを購入した。
寝具は薫子本人に選ばせた。
僕は雅美と車に乗り込んだ。薫子は店に借りた軽トラックにはしゃいで義雄と家へ向かった。
「薫ちゃんはなにがあったのかしらね」助手席で、雅美は静かに言った。
「……わからない」
「無理に聞き出すつもりは微塵もないけど、出て行くまでには話してほしいね。余計なものは持って行かないでほしい」
「そうだね」
僕は車窓の外を眺めた。両親と思しき男女の前で幼い少女が転んだ。二人は駆け寄り、少女の前で安心したように笑った。
「……まも兄、今なにしてるんだろう」
「どうだろうね。あの子のことだから、なんだかんだでうまくやってるんじゃない?」
「そうだね。まも兄、今いくつ?」
「恭太が十一歳で二十歳だったはずだから……」何歳だ、と雅美は困ったように呟いた。
「三十一くらいか」大人だなと僕は続けた。
本人はそう思ってないかもしれないよと雅美は笑う。
寝具は薫子本人に選ばせた。
僕は雅美と車に乗り込んだ。薫子は店に借りた軽トラックにはしゃいで義雄と家へ向かった。
「薫ちゃんはなにがあったのかしらね」助手席で、雅美は静かに言った。
「……わからない」
「無理に聞き出すつもりは微塵もないけど、出て行くまでには話してほしいね。余計なものは持って行かないでほしい」
「そうだね」
僕は車窓の外を眺めた。両親と思しき男女の前で幼い少女が転んだ。二人は駆け寄り、少女の前で安心したように笑った。
「……まも兄、今なにしてるんだろう」
「どうだろうね。あの子のことだから、なんだかんだでうまくやってるんじゃない?」
「そうだね。まも兄、今いくつ?」
「恭太が十一歳で二十歳だったはずだから……」何歳だ、と雅美は困ったように呟いた。
「三十一くらいか」大人だなと僕は続けた。
本人はそう思ってないかもしれないよと雅美は笑う。