十四時、僕は一度目の休憩のため休憩室へ入った。「お疲れ様」という穏やかな声に心臓が跳ねる。
「トシさん。なにしてるんですか」
「小物作りよ。私室での作業もいいのだけど、たまには違う場所でもやりたいなと」そう言うトシさんの手元には作りかけの小物があった。
「そうですか」無理はしないで下さいねと言って僕は畳に上がった。
どうぞと差し出された座布団を礼を言って受け取り、座卓の前に置いて座った。
「今日の昼食は?」トシさんは作業をしながら言った。
「味噌むすびです。ここ数年のお気に入りです」薫子が教えてくれましてと続けると、トシさんは切なげに笑みを浮かべた。
「薫子ちゃんも、もう来年には離れてしまうのね」
「そうですね」ぽつりと返した。「今年もう二十歳ですからね。早ければ今年中かもしれません」
「少し寂しいけれど、彼女ならきっと大丈夫よね。人々に愛されるキャラクターだもの」
周りの人間に嫌われていたと語った薫子を思い出した。トシさんの言葉へ「そうですね」と返す。僕も、薫子は人に愛される人だと思っている。
「トシさん。なにしてるんですか」
「小物作りよ。私室での作業もいいのだけど、たまには違う場所でもやりたいなと」そう言うトシさんの手元には作りかけの小物があった。
「そうですか」無理はしないで下さいねと言って僕は畳に上がった。
どうぞと差し出された座布団を礼を言って受け取り、座卓の前に置いて座った。
「今日の昼食は?」トシさんは作業をしながら言った。
「味噌むすびです。ここ数年のお気に入りです」薫子が教えてくれましてと続けると、トシさんは切なげに笑みを浮かべた。
「薫子ちゃんも、もう来年には離れてしまうのね」
「そうですね」ぽつりと返した。「今年もう二十歳ですからね。早ければ今年中かもしれません」
「少し寂しいけれど、彼女ならきっと大丈夫よね。人々に愛されるキャラクターだもの」
周りの人間に嫌われていたと語った薫子を思い出した。トシさんの言葉へ「そうですね」と返す。僕も、薫子は人に愛される人だと思っている。