「ところで、雅美の両親ってどうしたの?」僕は言った。

トシさん達がこちらを向いた。「悲しかったねえ。けいこも、まことさんも……」トシさんは静かに言った。

「まことはわたしのお父さん」雅美が言った。「お父さんは、わたしが中学生の頃に海外出張に行ったの。しばらくして帰ると連絡があって喜んだんだけど、その帰りの飛行機が事故に遭ってね。お母さんは、そのショックからかお父さんが死んで程なくして病気になって」わたしが高校生の頃、と雅美はぽつりと続けた。

「そうなんだ……。なんか変なこと訊いたね」

「別にいいよ。いつか、僕のおじいちゃん達はって訊かれると思ってたから」

「そう……」

でも今になってくるとは思わなかったわと雅美は楽しそうに笑った。