中学校を卒業後、わたしは県内で上位に位置する程度の高校へ入学した。進路指導の教師にはまず無理だと言われていたために合格を知ったときは嬉しかった。

しかし世の中それほど甘くないという言葉も決して間違いではなく、わたしを嫌う同級生も数名その高校に入学した。あの人達勉強できたのかと失敬なことを思った。

クラス表を見たとき、世の中甘くないどころか酸味も出ずまだ苦いなと思った。その数名と同じクラスだった。いっそ彼女らを知らないふりでもしようかとくだらないことさえ考えた。

彼女らとの再会は不運の再開だった。当然のように嫌われ者としての高校生活が始まった。少しの間忘れていた体の不調も思い出した。

来年は違うクラスになるかもしれない――その可能性こそがわたしの希望だった。

しかし、一年間も不確かな希望にぶら下がっていられる程わたしは強くなかった。進級を目前にした冬休み明け、わたしは学校から自主退学という形で逃避した。手続きに必要なことは父が手伝ってくれた。