厄介だったのは小学校を卒業してからだった。中学校では、他の二校の生徒らと共に過ごすことになった。入学直後から目元への視線は感じていたが、それはやがて嘲笑へ変わった。クラスの中で痛い奴という認識が広まるのに長い時間は要さなかった。それに抗うように、僕の学校での一人称が変わっていた。
軽蔑や嘲笑を続けたのは殆ど男子生徒だった。むしろ女子生徒からは告白されることもあった。
その日、僕は一人の女子生徒に部活後駐輪場へ残るよう言われた。物静かな女子だった。
「わたし、竹倉君のことが好き」
人生で初めて受けた恋愛的な告白だった。どきりとした。
「竹倉君のこと、馬鹿にするような人もいるけど、わたしは好きなの」
竹倉君のちょっと痛いところ――。堂々と続けられた。丁重にお断りした。
軽蔑や嘲笑を続けたのは殆ど男子生徒だった。むしろ女子生徒からは告白されることもあった。
その日、僕は一人の女子生徒に部活後駐輪場へ残るよう言われた。物静かな女子だった。
「わたし、竹倉君のことが好き」
人生で初めて受けた恋愛的な告白だった。どきりとした。
「竹倉君のこと、馬鹿にするような人もいるけど、わたしは好きなの」
竹倉君のちょっと痛いところ――。堂々と続けられた。丁重にお断りした。