「ねえ、それっていつまで着けてなきゃいけないの?」
眼帯を着用しての通学が二か月程続いた頃の休み時間、ふいに男の友人に言われた。ぎくりとした。傷は目立たなくなっていたが、他人に見せたいものでもなく、眼帯の着用を続けていた。
「いや、ちょっと……」
「なに、まだ痛いの?」
「うん、まあ……」
「へえ。えっ、今どうなってんの?」
「別にどうでもないよ」
「ちょっと見せてよ」友人は人差し指と親指の間を数センチメートルあけて言った。
「嫌だよ」
ちょっとだけちょっとだけと言う彼に根負けし、眼帯を外してしまったのが間違いだった。いや、それを自席で行ったのが間違いだった。当然のように多くの同級生にも見られた。どよめきの中に「怖い」「気持ち悪い」という声も上がった。
友人へのこれで満足かという言葉は腹の中にこぼすに留め、僕は眼帯を着け直した。
眼帯を着用しての通学が二か月程続いた頃の休み時間、ふいに男の友人に言われた。ぎくりとした。傷は目立たなくなっていたが、他人に見せたいものでもなく、眼帯の着用を続けていた。
「いや、ちょっと……」
「なに、まだ痛いの?」
「うん、まあ……」
「へえ。えっ、今どうなってんの?」
「別にどうでもないよ」
「ちょっと見せてよ」友人は人差し指と親指の間を数センチメートルあけて言った。
「嫌だよ」
ちょっとだけちょっとだけと言う彼に根負けし、眼帯を外してしまったのが間違いだった。いや、それを自席で行ったのが間違いだった。当然のように多くの同級生にも見られた。どよめきの中に「怖い」「気持ち悪い」という声も上がった。
友人へのこれで満足かという言葉は腹の中にこぼすに留め、僕は眼帯を着け直した。