十四時、僕は休憩室に入った。八畳のその和室には、長方形の座卓と数枚の座布団しかない。

「お疲れ様」と穏やかな声がした。気の向いたときにレジを担当するトシさんだった。「お疲れ様です」と僕は会釈した。

「こんなところでどうしたんですか?」僕は言った。

「なんとなくね。一人というのは寂しいものだから。かと言って体力があるわけでもないからね」困ったものだよとトシさんは愛らしい笑みを浮かべた。

「トシさん、お昼なにか食べました?」

「義雄さんにおにぎり作ってもらったよ」おいしかったと楽しそうに続けるトシさんへ、「よかったですね」と返す。

僕は座卓にお盆を置いた。今日の昼食は、唐揚げと千切りキャベツ、麦茶、枝豆、白米だ。

「唐揚げ食べます?」と問うと、トシさんは「気にせずにお食べ」と穏やかに答えた。