「今日、藤原君がきたんだけどさ」

「ああ、そうなんですか」

会いたかったなと言う薫子へ藤原君も言ってたよと返すと、本当ですか、嬉しいですと彼女は笑顔を見せた。

「藤原君、お母さん退院したって。かなり穏やかになって、優しくされることも多いって」

「わあ、本当ですか」それはよかったですと薫子は声を震わせた。

「藤原君はもう幸せになるべきですもん。お母様も穏やかになられたとのことで、幸せへの道はもう、時期にゴールテープを切りますね」それでいい、それでいいと頷き、薫子は目元を拭った。

僕は彼女を見ながら頬が緩むのを感じた。「薫子は優しいね」

「そんなことないですよ。藤原君の人柄に弱いだけです」

なんであんなにも綺麗な心を持っていられるんでしょうねと言う薫子へ、君も十分綺麗な心を持っていると思うよと心の中で返す。

「藤原君、来週もきますかね?」

「どうだろう。くるんじゃないかな、薫子に会いに」

もう月曜日には藤原君ぎゅってしちゃいますと宣言する薫子へ、僕はそれはやめておきなと返す。