薫子はベッドに脚を上げて横に倒れた。

「そういえば、さっきのテレビで死後の世界についてやってたじゃないですか」

「うん」

「わたし、死後の世界より来世の方があって欲しいです。生まれ変わりみたいな」

「来世か……」

あまり考えなさそうですねと笑う薫子へ苦笑を返す。

「ある意味、僕はもう生まれ変わってるからね」

「えっ、なんですかそのファンタジックな話」

「そんな面白いものじゃないよ」

僕が言いながら横になると、薫子は「絶対嘘です」と起き上がった。

「トシおばあちゃま達のお話素敵でしたもん。竹倉家の皆さんはきっと、素敵なお話持ってらっしゃるんです」

「純粋だね」と笑うと、薫子は「思い込みが激しいだけです」と言った。

「僕から見れば純粋なんだ。そのままいるんだよ」

常夜燈にしてと言うと、薫子ははいと紐を引いて横になった。