夕飯のあと、義雄が羊羹を持ってきた。一つの皿に、普通のと抹茶のと一つずつ載っている。フルーツ羊羹に人気を取られて売れ残ったのだと義雄は笑った。
「さあさ、遠慮なくお食べ。無料だよ」義雄は言いながら、雅美の隣に腰を下ろした。「残りものの消費だけど」と苦笑を続ける。
「いやあ、でもいいですよ。こんな残りものの消費なら、喜んで引き受けます」いただきますと手を合わせ、薫子は抹茶羊羹を頬張った。
「かわいいね」とトシさんと茂さんが穏やかに声を重ねた。「昔を思い出すよ」と言う茂さんに、「そうだね」とトシさんが続く。
「昔……と言うと?」薫子が言った。
「こうのはなを開業する頃だよ」トシさんが言った。
「おお」
「どう、聞いてくれるかな」
勿論ですと薫子は頷いた。
僕は普通の羊羹を一口分口に入れた。
「さあさ、遠慮なくお食べ。無料だよ」義雄は言いながら、雅美の隣に腰を下ろした。「残りものの消費だけど」と苦笑を続ける。
「いやあ、でもいいですよ。こんな残りものの消費なら、喜んで引き受けます」いただきますと手を合わせ、薫子は抹茶羊羹を頬張った。
「かわいいね」とトシさんと茂さんが穏やかに声を重ねた。「昔を思い出すよ」と言う茂さんに、「そうだね」とトシさんが続く。
「昔……と言うと?」薫子が言った。
「こうのはなを開業する頃だよ」トシさんが言った。
「おお」
「どう、聞いてくれるかな」
勿論ですと薫子は頷いた。
僕は普通の羊羹を一口分口に入れた。