ほっこり処 こうのはな〜幸せの砂時計~

「そうじゃなくて」

「わかってますよ」薫子は笑いながら穏やかに言った。「雅美さんと義雄さん、トシおばあちゃまに茂おじいちゃまが家族であることが幸せなんですよね」

「よくないよ、耐性のない人間を弄ぶの」

「弄んでなんかいませんよ、本当にかっこいいと思ってるんです。同い年以下なら完全に撃ち殺されてます。ウチコロのイチコロです」

「やっぱり歳下が好きなんだね」

「はい。歳下の純粋な感じの男の人がいいです。なんかもう、穢れのない感じの」

「そうなんだ」

「恭太君はどうです? 歳下派、歳上派?」

「上の方が合ってるだろうなとは思う。しっかりした感じのね」

「へええ。歳下からすれば頼れるお兄さんですけどね。ちょっと大人しい気もしますけど」
ああ違う、と薫子は言った。「わたしが生意気なんですよね」と苦笑する。

「そんなことないよ。それくらいの方が生きやすいと思う」おかげでこうのはなは色々と変わったと思いかけ、僕こそ成長せねばと腹の中に苦笑した。