だけど、と彼女は言った。「ボンネットマスコットとやらを見ると、どうもあひるの人形を付けたい衝動に駆られるんですよねえ……」
僕は薫子の言葉を聞きながら、赤く光る信号の前で車を止めた。薫子は「ほらあれ」と声を上げて右前方を指で示した。「あれ見ると、もううずうずしちゃって」
「うん。間違えても実行はしないでね」
「大丈夫です。小さい頃から悪さだけはするなと言われてきたので」でもこのうずうずばかりは止められないと続け、薫子は大げさに息を荒立てた。
「よし、大丈夫大丈夫。深呼吸しよう」
楽しそうな笑い声のあとに深い呼吸が続いた。それを聞きながら、色を変えた信号に従って車を発信させた。
僕は薫子の言葉を聞きながら、赤く光る信号の前で車を止めた。薫子は「ほらあれ」と声を上げて右前方を指で示した。「あれ見ると、もううずうずしちゃって」
「うん。間違えても実行はしないでね」
「大丈夫です。小さい頃から悪さだけはするなと言われてきたので」でもこのうずうずばかりは止められないと続け、薫子は大げさに息を荒立てた。
「よし、大丈夫大丈夫。深呼吸しよう」
楽しそうな笑い声のあとに深い呼吸が続いた。それを聞きながら、色を変えた信号に従って車を発信させた。



