昨日茂さんがゴーヤの和え物を作ったということを思い出し、残っていたにがうりでゴーヤととうもろこしの和え物も作った。

薫子にとっては昨日と同じような献立だったが、彼女は「おいしいです」と笑った。

食後、薫子はわたしがやりますと言って食器を持って居間を出た。戻ってきた彼女へ礼を言うと、とんでもないですと手をひらひらと動かした。

「恭太君、本当に料理できるんですね」薫子は僕の向かいに座って言った。

「むしろ料理しかできないよ」と僕は苦笑した。

「そんなことはないでしょう」

薫子はふふっと笑った。「なんか、恭太君みたいな人がいたら学校も楽しかったんだろうなと思って」

「いやあ……」それはないよと言いかけて「そう?」と言い直した。