炊飯器は「2H」と表示していた。

「二時間か……」

「二時間ですね」薫子は小さく続けた声に疑問符を付けた。ううん、と返す。

「ご飯、どう食べたい? チャーハン風か、そのままおかずと、か」

「おお。作ってくれるんですか?」

「うん」

「すごい。じゃあ、チャーハンで」

「風を忘れずにね」

「大丈夫です。炒めた飯と書いてチャーハンですから」

僕はそうかと笑い、ちょっと待っててと返した。はいと頷いて薫子は居間に入っていった。

僕は冷蔵庫からベーコンと卵を取り出し、袋に入っていたレタスを三枚取った。油を引いたフライパンを火にかけ、保温を切って茶碗に米を盛る。