翌日、多くの料理やデザートがメニューに加わったため、表紙に「お品書き」と書かれた冊子も新たに作り直した。

目を覚まして携帯電話を確認すると、十時一分を表す数字が並んでいた。平日だったらかなりの寝坊だなと思った。幸い携帯電話には、数字と共に日曜日の文字があった。

ふうと息をつき、ゆっくりと上体を起こす。ベッドへ目をやると、薫子は眉を寄せてタオルケットを抱く腕の中に顔を埋め、少ししてから深く息をついた。顔を出してこちらを向くと、「おはようございます」と微かに口角を上げた。僕も「おはよう」と返す。

薫子は上体を起こし、髪の毛を掻き揚げた。肩の辺りで切り揃えられたそれに触れ、「なんか不思議ですね、一昨日まで長かったのに」と笑う。ああそうだと彼女はこちらを向いた。

「なんか、やたら頻繁に見る夢ってありません?」

「ああ」あるねと僕は頷いた。「なんか見た?」

「怒られてました」と薫子は苦笑する。それもありえる内容で、と同じように続けた。