「今日はなに採ったの?」

「色々、本当に色々採りました。きゅうりに唐辛子、とうもろこしに、トマトも採りましたね。あと、にがうりも。それからレタスも採りました」

レタスって冬のイメージがありましたと言う薫子へ、夏に採れる種類もあるんだと返す。そうなんですか、と薫子は驚いたように頷いた。

「あと果物も採って、梨とマンゴーを採りました」

「へえ。じゃあ今日の昼食は……」言ってから簡単に思考を巡らせた。「サラダとゴーヤチャンプルー。デザートに梨とマンゴー」

薫子は「茂おじいちゃまとトシおばあちゃまを舐めてはいけませんよ」と笑いながら人差し指を左右に振った。「レタスの豚にんにく炒めにゴーヤの和え物、焼きとうもろこしがお昼ごはん、梨のアイスみたいなジュースとマンゴープリンがデザートです。どれもボリュームたっぷりで幸せでした」

おお、と僕は苦笑した。「他にご飯もあったんでしょう?」

「勿論です。でも四、五歳の頃の節分に、自分の中の食いしん坊鬼に豆を投げたわたしにはあれくらいぺろりです」

「食べるの好きなんだ?」

「大好きです。食事は幸せの象徴、これずっと思ってます」

「そうなんだ」いつかトシさんも同じようなこと言ってたなと思った。