僕は義雄が下ろしてきた看板を受け取った。そっと地面に置くと、雅美が「鳥の……付いてる」と呟いた。しー、と僕は息を吐いた。
新しい看板へ手を出すと、雅美は「若者、腰を痛めるでないよ」とぼそりと言った。「誰かさん曰くまだ成長途中だよ」と同じように返し、僕は看板を義雄へ渡した。
「落とさず落ちずにね」
僕が笑うと、義雄は「そんなに間の抜けた男じゃない」と返してきた。
「お気をつけて」と手を振る薫子へ「ありがとう」と頷き、僕は店に入った。
「なんか、薫がいないと静かだな」義雄がぽつりと言った。
「義雄、薫ちゃんのこと好きよね」
「別に薫が特別ってわけじゃないぞ?」
「それはよく知ってる。だからわたしは義雄と一緒にいるの」
「おっかないね」と苦笑する義雄へ、雅美は「そうじゃなくて」と返した。「ただ、薫ちゃん達を好きなのが一番の理由っていうだけ」
「なんも変わってない」と笑う義雄へ、雅美は「そう?」と笑い返した。
僕は小壁を掃除しながら、義雄の口から聞いた私語厳禁の言葉を疑った。
新しい看板へ手を出すと、雅美は「若者、腰を痛めるでないよ」とぼそりと言った。「誰かさん曰くまだ成長途中だよ」と同じように返し、僕は看板を義雄へ渡した。
「落とさず落ちずにね」
僕が笑うと、義雄は「そんなに間の抜けた男じゃない」と返してきた。
「お気をつけて」と手を振る薫子へ「ありがとう」と頷き、僕は店に入った。
「なんか、薫がいないと静かだな」義雄がぽつりと言った。
「義雄、薫ちゃんのこと好きよね」
「別に薫が特別ってわけじゃないぞ?」
「それはよく知ってる。だからわたしは義雄と一緒にいるの」
「おっかないね」と苦笑する義雄へ、雅美は「そうじゃなくて」と返した。「ただ、薫ちゃん達を好きなのが一番の理由っていうだけ」
「なんも変わってない」と笑う義雄へ、雅美は「そう?」と笑い返した。
僕は小壁を掃除しながら、義雄の口から聞いた私語厳禁の言葉を疑った。