「生き返ったの?」
「うーん、ちょっと違うな。未練を捨てた朝香響は、成仏して死んだ。でも、この赤瀬亮太の身体とぼくは、記憶を共存しているんだ。ぼくには、この子の過去も見える。生まれた場所も育ちも違うけど、ぼくたちはつながっている。赤瀬亮太は十八歳。リョウが死んだのと同じ」
「つまり、リョウくんはこれから亮太くんになって、人生をやり直せるってこと?」
「さあ、どうだろうね。本人のやる気次第かな。今のぼくは、リョウでもあり、赤瀬亮太でもあるんだ」
「まずはお友だちから、はじめさせて」
「ん、おかしいなー。『同居の彼氏になって』、じゃないの」
「よく知らないでお付き合いしたり、同居するのはよくないよ。そして、逃げないで戦うの」
「ほうほう。桃花ちゃん、学習したね」
「もちろんだよ。最低男に引っかからないように。私を乗っ取ろうとした地縛霊にも、二度と引っかかりません」
私はリョウの首に回した腕に少しだけ力を込めた。
「ぼくも、いやなものはいやって言えるようになる。本命じゃない女の子には、断る勇気を持つ。だから、桃花ちゃんのそばにいたいな」
「うん。離さないよ、もう」
「ということは、二十四時間一緒ってことだね。ぼくのこと、まだよく知らないくせにいいのかな」
「少しずつ教えてもらう」
「いいけど、一生憑いちゃうかもよ? 桃花に」
リョウは大きな声で笑った。うれしくて泣きそうだった私も、つられて笑う。
春の空はどこまでも明るく、ふたりの再会を祝福していた。
「うーん、ちょっと違うな。未練を捨てた朝香響は、成仏して死んだ。でも、この赤瀬亮太の身体とぼくは、記憶を共存しているんだ。ぼくには、この子の過去も見える。生まれた場所も育ちも違うけど、ぼくたちはつながっている。赤瀬亮太は十八歳。リョウが死んだのと同じ」
「つまり、リョウくんはこれから亮太くんになって、人生をやり直せるってこと?」
「さあ、どうだろうね。本人のやる気次第かな。今のぼくは、リョウでもあり、赤瀬亮太でもあるんだ」
「まずはお友だちから、はじめさせて」
「ん、おかしいなー。『同居の彼氏になって』、じゃないの」
「よく知らないでお付き合いしたり、同居するのはよくないよ。そして、逃げないで戦うの」
「ほうほう。桃花ちゃん、学習したね」
「もちろんだよ。最低男に引っかからないように。私を乗っ取ろうとした地縛霊にも、二度と引っかかりません」
私はリョウの首に回した腕に少しだけ力を込めた。
「ぼくも、いやなものはいやって言えるようになる。本命じゃない女の子には、断る勇気を持つ。だから、桃花ちゃんのそばにいたいな」
「うん。離さないよ、もう」
「ということは、二十四時間一緒ってことだね。ぼくのこと、まだよく知らないくせにいいのかな」
「少しずつ教えてもらう」
「いいけど、一生憑いちゃうかもよ? 桃花に」
リョウは大きな声で笑った。うれしくて泣きそうだった私も、つられて笑う。
春の空はどこまでも明るく、ふたりの再会を祝福していた。