「私、新木しんき綾乃あやの。よろしくね」
「はい。よろしくお願いします」
「それで、こっちがチームリーダーの板沢さん、その向かいに居るのが伊東さん、藤堂さんの向かいにいる尾根川君はもう知っているかな?」
綾乃さんは同じ島のメンバーを順番に紹介してゆく。
チームリーダの板沢さんは40歳ぐらい、眼鏡を掛けてちょっと下ぶくれなお顔立ち。伊東さんは30代後半に見える。スポーツ刈りだし、スーツの上からでも分かるくらいにがっしりしているから、何か趣味にスポーツをしているスポーツマンなのかも知れない。最後の尾根川さんは、私にあの日声を掛けてくれた人だ。少し長めの前髪を斜めに流しており、爽やかな印象の人だった。
「あと1人、桜木ってのがいるんだけど、今日は直接物件寄ってから来るみたい。あとから紹介する。桜木は色々と凄いよ」
「色々と凄い?」
「うん。まぁ、色々と。ボンボンのくせに仕事出来るし。午後には戻ると思うから、紹介するね」
綾乃さんは意味ありげに笑うと、前髪をバサリと掻き上げた。
「見ての通り、うちの会社って社長も含めて従業員が10人しかいないの。だから、藤堂さんも早く戦力になって貰えると助かるわ」
「はい。頑張ります!」
綾乃さんに見つめられ、私は力強く頷いた。綾乃さんはニッと口の端を持ち上げる。
イマディール不動産に正社員は10人しかおらず、前の会社より更に規模が小さかった。社長と3人の人事・勤労・経理を行う事務系スタッフ、6人の営業系スタッフに分かれているようだ。ちなみに、私は営業系スタッフだ。
広尾駅から徒歩5分ほどのところにある小さなビルの1階部分全体がオフィスになっている。大きくは無いが、凝った内装にお洒落なインテリアはまるでインテリア雑誌に載っているモデルルームのように洗練されている。
普段、窓口にいるのはパートの方で、あの日はたまたまパートさんが急なお休みで、尾根川さんが窓口を兼務していたらしい。
「はい。よろしくお願いします」
「それで、こっちがチームリーダーの板沢さん、その向かいに居るのが伊東さん、藤堂さんの向かいにいる尾根川君はもう知っているかな?」
綾乃さんは同じ島のメンバーを順番に紹介してゆく。
チームリーダの板沢さんは40歳ぐらい、眼鏡を掛けてちょっと下ぶくれなお顔立ち。伊東さんは30代後半に見える。スポーツ刈りだし、スーツの上からでも分かるくらいにがっしりしているから、何か趣味にスポーツをしているスポーツマンなのかも知れない。最後の尾根川さんは、私にあの日声を掛けてくれた人だ。少し長めの前髪を斜めに流しており、爽やかな印象の人だった。
「あと1人、桜木ってのがいるんだけど、今日は直接物件寄ってから来るみたい。あとから紹介する。桜木は色々と凄いよ」
「色々と凄い?」
「うん。まぁ、色々と。ボンボンのくせに仕事出来るし。午後には戻ると思うから、紹介するね」
綾乃さんは意味ありげに笑うと、前髪をバサリと掻き上げた。
「見ての通り、うちの会社って社長も含めて従業員が10人しかいないの。だから、藤堂さんも早く戦力になって貰えると助かるわ」
「はい。頑張ります!」
綾乃さんに見つめられ、私は力強く頷いた。綾乃さんはニッと口の端を持ち上げる。
イマディール不動産に正社員は10人しかおらず、前の会社より更に規模が小さかった。社長と3人の人事・勤労・経理を行う事務系スタッフ、6人の営業系スタッフに分かれているようだ。ちなみに、私は営業系スタッフだ。
広尾駅から徒歩5分ほどのところにある小さなビルの1階部分全体がオフィスになっている。大きくは無いが、凝った内装にお洒落なインテリアはまるでインテリア雑誌に載っているモデルルームのように洗練されている。
普段、窓口にいるのはパートの方で、あの日はたまたまパートさんが急なお休みで、尾根川さんが窓口を兼務していたらしい。