「恭平さん、短い間でしたけど知り合えて良かったです」
「悪いやつじゃなかった。それこそはじめはどうなることかと思ったけど…おれも大人だからな、お前のこと、認めてやるよ」
「恭ちゃん恭ちゃん! これっ!」
ぱたぱたと駆けてきた茶髪色白少女にグイッと何かを押しつけられる。千羽鶴だ。わさ、とそれを軽く屈んで受け取る拍子に、がばりと腕に抱きつかれた。
「恭ちゃんのこと想って作ったの。死んじゃっても…ぐすっ、る、るな、恭ちゃんのこと忘れな…っ」
「こらルナ! 恭平の前では泣かないって約束しただろ!」
「だって…っ、きょ、恭ちゃんいなくなっちゃうのさ、寂し、寂しいんだも」
「大丈夫だよルナ。たとえいなくなっても、ひとは心の中で生き続けるからね」
「お前ら人を勝手に殺すな」
今日、俺は盲腸の手術をする。