きみは僕の正しい光

ランクイン履歴

総合19位(2025/05/05)

ヒューマンドラマ2位(2025/04/29)

ヒューマンドラマ

きみは僕の正しい光
作品番号
1714252
最終更新
2025/03/31
総文字数
29,300
ページ数
30ページ
ステータス
完結
いいね数
191
ランクイン履歴

総合19位(2025/05/05)

ヒューマンドラマ2位(2025/04/29)

 

       つよくて、よわくて、やさしい、きみへ。


あらすじ
 幼馴染みの那由多は知恵遅れで、頭のネジがひとより3つも4つも足りていない。だから幼稚園の頃にまだ言葉も喋られなかったし、やっと喋られるようになったのは小学生に上がってからのことだった。それが理由で周りから揶揄われるのを、私はいつもかばっていた。だから那由多は私に懐いたけれど、同時に私は那由多が嫌いになった。那由多はバカなくせに見目が良くて、からかわれても笑っている。それが実に私の癪に障るのだ。

この作品のレビュー

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この作品の感想ノート

──「大丈夫。きみはいらなくなんかない」


知恵おくれの那由多と、そんな那由多の“お守り役”の知恵。二人は幼いころからずっといっしょで、知恵はいつもいじめられる那由多をかばってきた。


那由多のことばかりに気を遣って、自分の人生を生きられないでいることに苦しみを感じる知恵の心の葛藤が、手に取るように分かるほど美しく切ない描写で描かれていました。

知恵のことが大好きな那由多と、いつも笑ってばかりいる那由多を煙たく思う知恵。2人の関係はどうやっても切り離すことはできず、だからこそ二人特有の独特の世界観に魅了されました。

知恵の周りにいた西先輩や、理加ちゃん。先輩に自分の醜さを見透かされ、自分を大切に思う友達を傷つけ、知恵は人生に翻弄されます。自分は地球にいらないものだと言われ、底しれない重力で無理やり踏みにじられた知恵の心。

自分には何もなくて、私はいらない存在で、どうしようもない人間。

──それでも。知恵は那由多にとっての、正しい光だった。


中盤から終盤にかけて、ずっとずっと泣いていました。大げさではなく、大号泣でした。


己にどれだけ打ちのめされようと、自分のことがどんなに嫌いでも、この世界には自分を、私を大切に想ってくれている人が、確かにいるのだと思わせてくれる、そして温かな温もりと計り知れない愛、そして光に包まれた感涙の傑作でした。

こんなにも大号泣した小説に出会えたのは久しぶりです。胸が苦しくて、切なくて、狭くなる感じが凄く好きでした。

ラスト、那由多くんの手紙の内容に既に崩壊していた涙腺が追い打ちをかけられ、計り知れない悲しみで胸がいっぱいでした。

素敵な作品を、本当にありがとうございました!!!これからろねさんのほかの作品もたくさん読んでいこうと思います!!ろねさんの作家活動を心から応援しております。

2025/08/03 06:25

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