かっぱえびせんを全部食べ終えたころには、電車を乗り換えるべき駅に着いた。乗り換えホームを確認して、移動する。ホームへ着くと、リュックに入れていたウェットティッシュで手を丁寧に拭く。

 地元よりも少し規模の大きな駅では、中学生のように見える男子学生が、教科書を読みながら電車を待っている。

 僕も来年からはあんな風になるのか。

 ずっと勉強漬けになる自分は想像できなかった。夏休みは夏休みらしく、泳いだり畑を手伝ったり、友達と自転車旅行に出かける自分しか想像できない。



 どうして、この社会では勉強することが求められるんだろう。



 なぜサユミはわざわざ進学校へ行こうとするのだろう。