地上にゴンドラが降り、僕が駅についいた頃にはすっかり辺りは夜になっていた。

 きっと家に着いたら母さんにうんと叱られるだろう。爺ちゃんと婆ちゃんも心配しているだろう。父さんだって家に帰ってるかもしれない。
 でもきっと家族はその時だって気づかないだろう。


 僕がたった1日で、無限を信じる者になったことに。


 僕がたった1日で、ほんの少し、大人になったことに。



(完)