さあ、いよいよだ。
ゆっくりと高度を上げるゴンドラで、シェイクをシートに置いて、バーガーを片手で食べる。窓の下を見ると、幼稚園児とおぼしき女の子が、母親と手をつなぎながら僕を見ている。羨ましそうな目つき。ほんの少しの優越感。
バーガーは美味かった。これが毎日食べられるなんて、都会の子供が羨ましい。
僕は360度あらゆる景色を眺める。夕方の大通りでは、車は渋滞をなしていた。海上では遊覧船がすいすいと波を割き、太い線を描いている。僕も今度は一人で船に乗ってみよう。順調に太陽は沈みにかかっている。水面はきらきらと眩しい。