月曜日の巫女





翌日、朝加茂君は私達を見ると、ぺこりとお辞儀だけして、
そそくさと席に着いていた。
だが午後の授業で彼の姿は席になかった。

授業が終わり、加茂君は早退したという話しを他のクラスメイトから聞き、
昨日の今日でなんだか妙に不安になっていた。
私は実咲と塔子に、藤原のところに言ってくると告げると、
2人はにやにやと笑いながら私を送り出した。




英語教師室のドアの前に立つ。
何だかここに来たのはとても久しぶりに思える。
それに、もしかしたらここに来たことをまずは怒られるかも知れない。
私は緊張しつつ、二回ノックをして静かにドアを開けた。


「失礼します・・・・・・」


「おう」


藤原は椅子の背もたれに寄りかかり、こちらを振り向いた。
やはり自分の机に辞書やら何やら広げて、仕事をしているところのようだった。
だが私が来てもごく普通の態度の藤原に途惑う。
先日学校内で二人きりになるなと言われたのに。
私が入り口の所で途惑ってると、藤原が苦笑いを浮かべた。


「紅茶が飲みたいんだ。
入れてくれないか?」


「・・・・・・うん」


そう、毎週月曜日の放課後、藤原が昼寝して私が勉強して。
その後には葛木先生の手作りおやつと、紅茶を入れて、3人で過ごした場所。
何だか本当に遠い昔だったような気がして、何故か目が潤んできた。

私はそれに気づかれないように、急いで中心にある大きなテーブルに鞄を置くと、
いつも使ってた棚に向かい、
いつも使っていたカップと紅茶のティーバッグを準備しだした。


「加茂のことだろ?」


少し離れた所から藤原にそう言われ驚いて私は見た。


「何で知ってるの?」


「まぁ一応立場が立場だからな」


「私にGPSとか盗聴器とかつけてるんじゃないよね?」


「そんなもんつけなくても俺たちは調べられるんだよ」


私はカップを持ったまま固まった。
そんな先端機器より陰陽師の能力の方が上という事実に。


「もしかして式神使ったとか?
それとも呪術?いや星読みとか?!」


「・・・・・・お前、そういうの好きなの?」


「大好き!!!」


私は間髪入れずに答えた。
藤原は私の前のめりな反応に、お、おう、そうか、と引き気味に答えた。


「まぁとりあえず加茂がお前にかなり接触したことはわかってるんだが」


私が紅茶の入ったカップを渡すとそれを受け取りながら私をじっと見た。


「何をされたのか詳しく話せ」


真面目な顔で聞かれ私は少し目が泳いだ後、近くにあった椅子に座る。
自分のカップを持つと、昨日あった事をゆっくりと順に説明した。

藤原はそれを聞き終わっても腕を組んだまま眉間に皺を寄せていた。