月曜日の巫女




「と、閉じたっていつ?!」


「お前が車に乗って帰る時」


私は必死に思い返した。
何か儀式を去れただろうか。
いや、そんな事は。


「もしかして、あの、頭撫でた、やつ?」


「お、正解だ。偉いな」


からかうように笑う藤原に私は一気に怒りがこみ上げてきた。
あの時、優しく笑って私の頭を撫でた事に、
不覚にも少しどきりとしてしまったからだ。
まさかその時に何かされていただなんて。


「酷い!幽霊が見えるかと期待していたのに!」


「お前ね、そういうもんじゃないんだよ。
何の対策もしてないやつが能力を開けっ放しというのは危ないんだ」


少なくとも藤原が私のことを思って密かにやったのはわかったけど、
気持ちはそれでは割り切れない。


「そうだ、私が嫌がればもしかしたら藤原って出来ないんじゃないの?」


まだ巫女と確定していなくても、藤原は先日躊躇していた。
なのに今回は何故。


「さぁな」


藤原はぶっきらぼうにそう言うと、カップを手に取りコーヒーをすすった。
もしかして出来る出来ないに何かルールとかあるのだろうか。
ということは今後も知らないうちに、何かされるかも知れないということで。


「葛木先生、藤原。
今度から勝手に私の身体とか能力をいじるのやめて下さい」


じろりと並んで座る2人を見れば、
葛木先生は苦笑いを浮かべているし、
藤原なんてぷいと横を向いたままで何も言わない。
なんて大人げない態度だ。
これはこれ以上怒っても何もならない。
私は次の疑問に移ることにした。


「ねぇ、私が毎週来なくても藤原は大丈夫なの?」


今までよりはマシそうとはいえ、今日もいまいち体調は良く無さそうだ。
元々その為に私は月曜日の放課後あの場所に行っていたのだから。


「大丈夫だ」


「嘘をつくものではありませんよ」


藤原の返答に、
葛木先生がため息混じりに否定した。


「大丈夫だって。
以前よりも仕事はセーブするし」


「確かに無茶をしすぎていたのを今後セーブするのは賛成ですが、
本来の目的がある以上、そんなに長い時間セーブするわけにもいかないでしょう」


「本来の目的って?」


二人でまた話しを進めるので私は割って入った。
それを藤原は眉間に皺を寄せて私を見た。


「知らなくていい」


「色々教えてくれるって言ったじゃない」


「全ては教えられないと言ったぞ?」


私の言葉に、藤原の声は少し低くなった。
突き放すような言葉。
何も見ていないかのような冷たい瞳に、
私はどうしていいかわからなくなった。