月曜日の巫女




「光明の巫女の候補がいるとわかれば京都側は必ず確認をしに来ます。
長く東京を任せられる長が保障されるわけですから。
それに」


葛木先生はちらりと藤原を見たが、
藤原は私や葛木先生を見ることもなく、
テーブルに肘を付いて窓から外を見ている。


「もし巫女ではなくても、
長を助けあれだけの邪気を祓う事に助力した人材は貴重ですから、
あわよくば京都へスカウトできないか様子を見に来たというところでしょうか」


「本当に、あそこに居たのが私だとばれていないんですか?」


「私がまいた種で申し訳無いのですが、
私はばれていないとは言い切れないと思います。
東雲さんと光明が毎週会っていた事は調査済みでしょうから、
優先順位を高くしていたのでしょう。
まさか初日からあんな格好をして話しかけているとは思いませんでしたが」


申し訳なさそうに葛木先生が話す。
しかし毎週会ってたって。まぁそうなのかもしれないけれど。
ん?あんな格好ってどういう事だろう。


「あんな格好って?」


「お前、あいつの事根暗そうとか静かそうとか思ってるなら違うからな」


さっきまで外を見ていた藤原が私の顔を呆れたような表情で見ている。


「じゃあ本当はどうなの?」


「そのうち本性を表すだろ。
猫なんてそんなに被ってられないさ、あいつは」


そんな事を言っておいて、
結局加茂君の本当の事は教えてくれなかった。


「ここからが本題だが、当分放課後のは無しだし、
今までの事は単に良いように俺に使われてた、という事で通せ」


「それは巻き込まないため?
なら私の記憶は消さないの?」


「消して良いなら今すぐにでも消したいが?」


「嫌」


「そういうと思った」


藤原は苦笑いを浮かべた。
なんとなく状況は把握できた。
私の立場を守るなら記憶なんて消した方が良いのだろう。
でもそれを藤原は、私の意志を無視してしないとしてくれたことが素直に嬉しい。
そしてまだ気になることは色々ある。


「葛木先生、私、霊が見えるようになったとかじゃないんですか?」


「あぁ、あの無理矢理解放した力は俺が閉じた」


「はぁ?!」


葛木先生に聞こうとしたのに、
平然と藤原が答えた。