しかし、出不精の私が毎日のように彼を追っているなんて……自分でも信じられない。『好奇心に勝るものはなし』ということだろう。
今日も今日とて私は彼の後をつけていた。どうやら今日は真っ直ぐ自宅に戻らず病院へ向かうようだ。こういう日が週に二日はある。
病院は名医揃いと言われている私立甲賀総合病院。葵宇宙の妹はそこの小児病棟にいる。四人部屋だが、一昨日一人退院したから隣のベッドが空いている。
「お兄ちゃん! いらっしゃい」
探偵気取りでそこに身を潜める。見ようによっては本当にストーカーだ。自分で自分がちょっと怖い。
「元気そうだな、ツキミ」
学校用の仮面が剥がれたと思ったら、今度は家族用の仮面をつける葵宇宙。
それが仮面だと気付いたのは、彼の瞳を見たときだった。笑っているのに笑っていなかったのだ。
今日も今日とて私は彼の後をつけていた。どうやら今日は真っ直ぐ自宅に戻らず病院へ向かうようだ。こういう日が週に二日はある。
病院は名医揃いと言われている私立甲賀総合病院。葵宇宙の妹はそこの小児病棟にいる。四人部屋だが、一昨日一人退院したから隣のベッドが空いている。
「お兄ちゃん! いらっしゃい」
探偵気取りでそこに身を潜める。見ようによっては本当にストーカーだ。自分で自分がちょっと怖い。
「元気そうだな、ツキミ」
学校用の仮面が剥がれたと思ったら、今度は家族用の仮面をつける葵宇宙。
それが仮面だと気付いたのは、彼の瞳を見たときだった。笑っているのに笑っていなかったのだ。