孤独を愛する透子は家族との折り合いが悪く疎外感を覚えていた。

超難関校と言われている高校に合格した透子は、入学式の後、屋上で魔法使いになりたいという美しい少年、葵宇宙に出会う。

優秀なのにどこかヘンテコな謎多き彼は、自分のことを疫病神と言い、妹の病気も自分のせいだと責任を感じているようだった。

本当に彼は疫病神なのか? 好奇心に駆られて彼の秘密を探るうちに、透子は宇宙に惹かれている自分に気付く。

しかし、紐解かれた秘密の裏には、悲しい現実が待っていた。
透子は現在、脳死状態で、彼女の心臓は葵宇宙の妹に移植されることになっていたのだ。

延命装置を外したら、やっと分かり合えた家族とも、初めて恋をした葵宇宙ともさよならしなくてはいけない。

透子は悲しく思いながらも、宇宙の代わりに魔法使いになることにした。
だが、それは透子と葵宇宙にとって、新たな未来へと続く一ページでもあった。